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動いているものを、止めずに

ここに挙げた5件は、業種も技術構成もばらばらです。不動産向けのクラウド画像基盤、加工機の制御ソフト、生産管理パッケージ、ERPの一部機能、会員アプリ。共通しているのは、どれも「すでに動いているもの」が先にあったことです。約140万件の表示URL。25年動いてきたパッケージ。お客様の現場に根づいた設計の作法。新しく作ることよりも、動いているものを止めずに置き換えるほうが、いつも難しい。

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FIVE PROJECTS

5件とも、「今、どう動いているか」を調べるところから始めています。

守秘義務により、お客様名は伏せて掲載しています。数字と設計の内容は、実際の設計書・仕様書に基づくものです。

CASE 01

約140万件の表示を、止めずに載せ替える。

不動産ポータル向けサービス事業者様
要求要件定義 → 基本設計 → 開発

特定メーカーのカメラ専用だった仕組みを、機材を問わない基盤へ。すでに公開中の約140万件のURLを、表示を止めないまま移します。

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CASE 02

機械の制御ソフトを、お客様の作法で書く。

機械装置メーカー様(最終ユーザーは鉄工所様)
2026年1月 納品

新規製作の加工機に載せるPLCプログラムとタッチパネル画面。お客様標準のステップNo.管理を踏襲して設計しました。

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CASE 03

1,700本の運用を壊さずに、機能を足す。

生産管理パッケージベンダー様
5名 / 約2年間

販売から約25年、導入1,700本超のパッケージへの機能追加。求められたのは新しい設計思想ではなく、既存に合わせる精度でした。

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CASE 04

ERPの一部機能を、元請け様の体制の中で。

日本のSIer様
詳細設計 〜 結合テスト

商品管理・計画管理・納品管理。お客様の様式で書かれた設計書とテスト結果まで含めて納めます。

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CASE 05

有料コンテンツを守る。できないことは、先に言う。

スポーツビジョン・トレーニング事業者様
Phase 1 業務仕様・プロトタイプ

会員アプリと管理画面の業務仕様を日英併記で。実現できないご要望には、理由を添えて「できない」と書きました。

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CASE 01

約140万件の表示を、止めずに載せ替える。

お客様
不動産ポータル向けサービス事業者様
賃貸物件のパノラマ画像の収集・保存・表示
領域
クラウド画像基盤の新規構築
担当範囲
要求要件定義 / 基本設計 / 開発
時期
2025年5月 要求要件書 ― 2025年10月 基本設計

課題

物件のパノラマ画像は、これまで特定メーカーの360度カメラ専用サービスに依存していました。けれども現場で実際に使われている機材は、すでにばらばらです。

  • メーカー製以外のカメラで撮った画像が、そのままでは表示できない。Insta360、GoPro MAX、他社製の全天球カメラ、スマートフォンのパノラマ。撮る人はもう、1社の機材だけを使ってはいません
  • 対応機材を増やすたびに、表示のしくみを作り直すことになる。機材ごとに表示ロジックを足していけば、いずれ手が付けられなくなります
  • すでに公開されている表示URLが、約140万件ある。載せ替えの間、物件ページからパノラマが消えることは許されません

設計したこと

① 機材の違いを、入口で吸収する。撮影機材ごとの差は取り込み口で正規化し、表示は360度/180度の2種類に統一しました。機材が増えても、表示側を作り直さずに済む形です。

② 冪等な連携API。基幹システムから画像を受け取り、変換し、表示URLを返す。同じ画像を二度渡されても結果が壊れないことを前提に設計しています。

③ 無停止移行。約140万件の旧URLを新URLへ移し替えます。変換処理を並列に動かして所要時間を詰め、移行中もパノラマが非表示にならないことを要件として明記しました。

④ 想定規模から、先に構成を決める。月間約60万PV、同時接続 約300台、月間約2.5万件の変換、初期データ量 約15TB・年間約3.6TB増。この数字を先に置いたうえで、配信・防御・スケールアウトの構成を決めています。

新基盤の構築、並列変換、新旧URLの二重保持、切替の4段階を経ても、物件ページのパノラマ表示は停止しないことを示す図。
新基盤を先に立て、並列で変換し、新旧を二重に持ってから切り替えます。 (横にスクロールできます)

規模と構成

移行対象既存の表示URL 約140万件(無停止で移行)
想定トラフィック月間 約60万PV / 同時接続 約300台
変換件数月間 約2.5万件
データ量初期 約15TB / 年間増加 約3.6TB(削除なし・永久保存)
対応機材全天球カメラ各社(360度表示)/ スマートフォン・その他機種(180度表示)
技術構成React・TypeScript / Node.js・TypeScript / AWS(オブジェクトストレージ・サーバーレス画像処理・コンテナ実行基盤・NoSQLデータベース・CDN・WAF)/ FTP経由の一括取り込み
成果物要求要件書、基本設計書(システム構成・機能一覧・画面遷移図・画面レイアウト・アクティビティ図・シーケンス図・テーブル一覧・ER図・データ移行方式)

この案件で、いちばん時間を使ったところ

変換アルゴリズムではありません。「今、どう動いているか」を確認する作業でした。基本設計書の最後には、お客様への確認事項が6件残っています。既存システムの受付API仕様。現行のFTP取り込み手順。旧サービスからデータを書き出せるのか。誰がどの機能を使うのか。

ここを詰めないまま作ると、動くけれど載せ替えられないシステムができあがります。確認事項は、設計書に残したうえでお渡しします。

CASE 02

機械の制御ソフトを、お客様の作法で書く。

お客様
機械装置メーカー様
最終ユーザーは鉄工所様
対象
新規製作機(管端絞り加工機)
担当範囲
PLCプログラム設計 / タッチパネル画面設計
時期
2025年12月 ご依頼 ― 2026年1月 納品

内容

新規製作の加工機に載せる制御ソフトを設計しました。お客様から提供されたのは、自動運転フローチャート一式、手動運転フローチャートとアラームリスト、既存機の参考プログラム、そしてタッチパネルの画面レイアウトです。

設計にあたって守ったのは、お客様の標準に合わせることでした。

  • 自動運転は、お客様標準の「データレジスタによるステップNo.管理」方式を踏襲する
  • 手動運転は、標準的な自己保持回路を使う
  • その他の回路も、参考プログラムの書き方に合わせる
  • タッチパネルは、支給された画面レイアウトどおりに作る
  • 開発環境は、お客様ご指定のツール(PLC側:GX Works2 / タッチパネル側:GT Designer3)を使用する

自分たちのやり方で書いたほうが速い場面もあります。それでも合わせるのは、この機械を後で保守するのが、私たちではなくお客様の技術者だからです。読めないプログラムは、納品した瞬間から負債になります。

お客様支給のフローチャート・アラームリスト・参考プログラム・画面レイアウトをもとに、ステップNo.管理のラダーとタッチパネル画面を設計し、加工機に載せるまでの図。
設計の出発点はお客様の資料です。書き方も、お客様の標準に合わせます。 (横にスクロールできます)

なぜ、この案件をここに載せるか

DXのご相談をいただくとき、話はたいていクラウドの図から始まります。けれども工場では、データはクラウドから湧いてくるものではありません。機械を動かしているプログラムの中にしか、ありません。

私たちは、そのプログラムを書く側の仕事も引き受けています。フローチャートからステップを起こし、既存機の回路の書き方に合わせ、タッチパネルの画面を作る。現場の信号を「どのアドレスから、どう取るか」という話ができるのは、この経験があるからです。

CASE 03

1,700本の運用を壊さずに、機能を足す。

お客様
生産管理パッケージのベンダー様
販売開始から約25年、導入実績1,700本超
対象
発注管理・在庫管理・生産計画・負荷進捗の各サブシステム
担当範囲
詳細設計書 / コーディング / 単体テスト
体制・期間
5名 / 約2年間

この仕事の性質

25年動いてきたパッケージに機能を足す仕事は、新規開発とは別物です。求められるのは、新しい設計思想ではなく、既存に合わせる精度でした。

  • 画面の作法(項目の並び、キー操作、確定のタイミング)を既存機能と揃える
  • 帳票・グリッド・バーコードなど、既存で使われている部品と同じものを、同じ使い方で使う
  • 1,700社それぞれの運用に影響が出ないよう、既存の挙動を変えない

技術構成:C# / .NET Framework / 既存パッケージで採用されている帳票・グリッド・バーコードの各コンポーネント

25年動いてきた生産管理パッケージに、既存と同じ部品・同じ画面作法で新しいサブシステムを追加する図。
新しい部品は持ち込みません。既存の部品を、既存と同じ使い方で使います。 (横にスクロールできます)

新しく作り直すほうが、書く側は気持ちがいい。けれどもそれをやると、1,700社の現場が「前のバージョンのほうが良かった」と言い始めます。2年間、同じ体制で続いたことが、この案件でいちばん申し上げたい実績です。

CASE 04

ERPの一部機能を、元請け様の体制の中で。

お客様
日本のSIer様
ERP(企業資源計画)システムの構築プロジェクト
対象機能
商品管理 / 計画管理 / 納品管理
担当範囲
詳細設計書 / コーディング / 単体テスト / 結合テスト
技術構成
Windows Server / ASP.NET / Microsoft SQL Server

内容

元請けのSIer様が定めた設計標準・ドキュメント様式・レビュー手順の中に入って、担当範囲を仕上げる形の案件です。成果物は動くプログラムだけではありません。お客様の様式で書かれた詳細設計書と、テスト結果までが納品物でした。

オフショア開発でつまずくのは、たいてい技術ではなく、この「様式と粒度が合わない」ところです。書き直しが発生すれば、コストも納期も一緒に崩れます。詳細設計から結合テストまでを一括で引き受け、元請け様のレビューに通る形で納めています。

CASE 05

有料コンテンツを守る。できないことは、先に言う。

お客様
スポーツビジョン・トレーニングを提供される事業者様
領域
モバイル会員アプリ + 管理画面(Phase 1)
担当範囲
業務仕様の策定(日英併記)/ プロトタイプ
対象読者
お客様(機能合意)と開発者(実装範囲の把握)

Phase 1 の範囲

会員登録・ログイン(顔認証対応)、ホーム、トレーニング入口、トレーニング画面(横向き全画面)、期間を選ぶ購入フロー(アプリ内課金)、購入確認・完了、アカウント、パスワード変更、会社情報・プライバシー・利用規約、退会。管理画面は、トレーニングカードの登録・公開制御、課金商品の価格設定、購入履歴と利用権の管理(有効/保留/返金/失効。返金通知で自動失効)。

「買った会員だけがトレーニングを使える」――この一点を、画面遷移と権利管理の両方で担保する設計です。

有料コンテンツの保護

トレーニングの内容そのものが商品なので、画面の中身が外に出ることが、そのまま損失になります。Phase 1 では2つの対策を入れました。

  • 顔がカメラの正面にないとき、内容を表示しない。トレーニング画面ではカメラを起動し、正面の顔を検出できない場合は画面を暗転させてメッセージを出します
  • 画面キャプチャを検知したら、画面全体を黒くする。

そして、できないことを書きました

お客様からは「斜め45度から覗かれたときも内容を隠したい」というご要望をいただきました。これに対して、私たちは仕様書の中で技術的に実現できないとお答えしています。理由も併記しました。顔認識と同時に周囲のすべての物体を認識し、それが撮影機器かどうかを判定することは実現できないこと。端末が固定された状態で第三者が横から覗く場合は、そもそも検知のしようがないこと。

できることとできないことを分けて、書面に残す。それ自体が、Phase 1 の成果物の一部だと考えています。あとから「できませんでした」と言われるより、先に線を引いたほうが、次の打ち手を一緒に考えられます。

退会フローと法的情報ページは、アプリストアの審査要件に沿って Phase 1 の必須範囲としています。

HOW WE WORK

5案件に共通していること。

5つの案件は、置かれている場所がまったく違います。クラウドの上、工場の機械の中、25年もののパッケージの内側、元請け様の設計標準の中、アプリストアの審査要件の下。それでも、やっていることは同じです。

どれも、すでに動いているものが先にありました。だから私たちの仕事は、まず「今、どう動いているか」を書き起こすところから始まります。ここを飛ばして作ったものは、動いても、置き換えられません。

共通しているのは、3点だけです。

動いているものを、止めない。

約140万件の表示URLは、消さずに載せ替える。1,700社が使っている画面の作法は変えない。お客様標準のプログラム構造は踏襲する。止めない前提から、設計を始めます。

現場の記号のまま、設計する。

お客様標準のステップNo.管理、既存パッケージの帳票部品、元請け様の設計書様式。現場ですでに使われている言葉を、こちらの都合で言い換えません。後で保守するのは、お客様だからです。

できないことは、先に言う。

技術的に無理なことは、理由をつけて書面に残します。確認が必要なことは、確認事項として一覧にして残します。設計書にきれいごとだけを書くと、そのツケは必ず運用フェーズに出ます。

「今、どう動いているか」から、ご一緒します。

お困りごとが、この5件のどれかに似ているようでしたら、まずはお話をお聞かせください。ご相談・調査・お見積りまで、費用はいただきません。結論が「今は作らないほうがよい」であっても、その理由を文書でお渡しします。

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